アッチの街の片隅から愛を込めて

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2020日本シリーズと埼玉西武ライオンズを振り返る その1

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余りにもその衝撃的な展開と内容をもって幕を閉じた今年の日本シリーズは、もはや日頃プロ野球に興味の無い人たちにとっても、印象的なものとして刻まれてしまったのではないのだろうか。

 

今シーズンのセリーグ王者の読売ジャイアンツパリーグ王者ソフトバンクホークスとの戦いは、まるで大人と子どもの腕相撲さながらの力量差を見せつける形でソフトバンクが楽々4戦4連勝し、日本一の称号を得たのである。それはもう圧倒的であった。いや、酷い。

 

かねてより永久の埼玉西武ライオンズ愛を貫いている私であるが、今回の日本シリーズは断然ジャイアンツを応援していたのである。仮にパリーグクライマックスシリーズ千葉ロッテマリーンズが制していたのであれば、ロッテを全力応援していたであろう。しかしそれは叶わなかった。

 

何故ソフトバンクホークスを応援しないのか。理由は簡単である。強すぎて嫌だからだ。正直言って腹ただしい。そのくらいに強すぎる。

 

2018,19とライオンズがリーグ連覇を成し遂げたにも関わらず、2年ともソフトバンクの手によって日本シリーズ進出の夢は阻まれているのである。結果ソフトバンクは今年で日本シリーズ4連覇という、驚異的な領域へと達したのである。

 

とは言えホークスの強さは今に始まったものではない。ダイエー時代からもそうであった。目に余る暗黒期というものが存在しないチームこそがホークスだと感じている。少なくとも私が物心ついて野球を好きになり始めてからは。常にチームを牽引する強打者と絶対的エースが存在し、ライオンズ含むパリーグの他チームを苦しめてきていたのである。かなり昔にはなってしまうが、松中信彦の全盛期時代なんかは少年心ながら実に腹が立っていた。打ちすぎやろ、と。とにかく自分は常にパリーグではライオンズが一番の考えであるので、それを脅かすものはとにかく憎いのである。その要因の多くが常にホークスに存在する。

 

そして極め付けは、今回の日本一に関しても多くがソフトバンクホークスの生え抜き選手と育成選手の実力の賜物というところであり、超優等生さながらケチの付けようも無い、ぐうの音も出せないチーム状態であるところがまた憎いのである。本当になんなの、と。

 

ジャイアンツに関しても、近年は生え抜き選手の活躍が多く見られ純粋な野球ファンからすると好印象であることには間違いは無いが、これまでの他チームから強力な戦力を引き抜いて補強していくチーム作りの“ベース”の部分や、選手個人の育成力の差がホークスとの大いなる違いとして悪く出てしまったのだと感じる。

 

 

実際の日本シリーズの内容であるが、ジャイアンツナインの打てなさが異常であった。初戦のソフトバンク千賀に対しては打てる気ゼロ、とまあこれは仕方ないとして3戦目のムーア・モイネロ・森の継投にあわよくばノーヒットノーラン負けを喫するところであったのである。9回2アウトで丸がヒットを打たなければ、ジャイアンツ史上これ以上ない最低最悪の日本シリーズとして、永遠に語り継がれていかざるを得なかったのである。(とは言え既に最低最悪ですが…)

そこまで打てんかジャイアン、と。これがセリーグパリーグの差なのか、と。逆にホークスは栗原を筆頭にしっかりタイミングを合わせてヒット量産。確実に点を稼いでいく。

 

いちプロ野球ファンとしては、その悲しすぎる現実を直視するのが精一杯であった。故に私としては何一つ面白くなかったのである。

恐らく、初戦でジャイアンツが絶対的セリーグのエース菅野で勝てなかった時点でもう勝負は見えかけていたのであろう。

 

疑問が残るのが、まず何故2戦目で原監督は戸郷を先発で投げさせなかったのか、である。菅野に続くチーム2位の勝ち星を挙げ、今年フィーバーを果たした若き次世代エースを頭から持っていかなかったのか。

長身から繰り出される速球と独特なフォーム感は、シーズン通してパリーグの試合を観続けた私としても珍しい投手だと感じるのであり、初戦を菅野で落としてしまった以上、流れを変えるなら戸郷以外はいなかったのではないかと、マジで思うのである。そのくせ、中途半端に中継ぎとしてほぼ全試合に登板した始末である(尚、敢闘賞は獲得した模様)。

先発でホークス打線とぶつかり合い、ジャイアンツの攻撃のリズムを作ってほしかったというところだが、何とも不完全燃焼である…。

 

ついでに4戦目の終盤で菅野がブルペンで投げていたが、あれも謎であった。どうしたかったのか。4-1で負けていたが、あわよくば出すつもりだったのか。これもよく分からない。

 

そして更に悔やまれるのは、原監督がホークス工藤監督の全試合DH制導入の提案をいとも簡単に受けてしまったことである。それも今やることじゃないだろう…と。どちらかというとホークス打線を甘く見た結果なのではないのだろうかと思う。プラスジャイアンツ打線への慢心だ。初戦の菅野では絶対に勝てると思っていたのだろうし、その程度のホークス打線だと思っていたのであろう。

結果としては、京セラドーム戦で本来計算できるはずであった投手打席分のアウトを稼げず、挙句2戦目はホークスDHのデスパイネから満塁ホームランを食らう始末。いくら原監督が以前よりセリーグへのDH制導入を推進しているとは言え、日本シリーズで、しかも近々でその判断をしてはいけませんということであったのだ。

 

とにかく、ジャイアンツファンは絶望であっただろう。普段これといってジャイアンツを応援していない私でさえも最悪の気分になったからだ。昔から存在する“人気のセ、実力のパ”という言葉は、ここまでにその通りなものなのかと、溜め息しか出ないのである。もう少し面白いゲームをしてほしかった。

 

特に私は何を言いたいのかと。そう、これ見よがしにジャイアンツがけちょんけちょんを言われまくるしかなくなったこの現状が嫌なのだ。しかし、もはやそれすらも認めざるを得ないのである。ジャイアンツは強いんじゃなかったのか。圧倒的大差でセリーグ制覇したのではなかったのか。天下の巨人軍だろう。そんなのでいいのか。

 

もはやこの実力差はセリーグ全体、球界全体で考えなくてはならなくなったのだろうか。私はジャイアンツ坂本が好きだが、2000本安打達成は本当に感心したのである。しかし、それも“セリーグだったから”なんて言われかねないのである。そんなことないだろう、と思いたいのだ。

そんな衝撃的で酷い日本シリーズであった。

 

その2へ続く。

ではまた!