アッチの街の片隅から愛を込めて

迸るほどの愛を込めて、濃厚かつ丁寧に音楽その他色々を語ります。

【スポンサーリンク】

2020日本シリーズと埼玉西武ライオンズを振り返る その2

f:id:atsushidays:20201211025339p:plain

 

www.atsudays.work

 

 

新型コロナウイルスの影響により、異例のシーズンとなった今年である。無観客での6月開幕・その後入場制限での有観客試合、総試合数減少も連戦続きの過酷日程、交流戦オールスターゲーム無し、特別的なCSの開催(セリーグはCS無し)…。こうして無事に日本シリーズも終了し、本当に良かったと私は思う。選手は勿論のこと、球団関係者も大変だったと思うが、ここまで駆け切ったことに感謝を申し上げたい。

 

再三申し上げるが、私は埼玉西武ライオンズファンである。コロナによる自粛の影響もあり、私は今年改めて野球への熱が再燃したわけであるが、本当にライオンズナインには毎日を楽しませていただいた次第である。野球は素晴らしいのである。

 

ここで、何故私がライオンズファンであるのかというのをご説明したい。

まずは、私の地元・埼玉県に本拠地を設ける球団であるから。これに関しては言うまでもない。私は地元愛や愛国心は強い人間である。埼玉の名を背負って戦うライオンズは、私の魂そのものとも言えるのである。

そして、選手が好き、である。

今現在も、沖縄が生んだ和製大砲・山川穂高を筆頭に、生ける大レジェンド・おかわり君こと中村剛也、衰え知らずのミスターライオンズ・栗山巧…等とにかく一つ一つ挙げていくのもキリがないほどの名プレイヤー揃いであるが、子どもの頃に初期衝動的に好きになった選手はズバリ松坂大輔である。やっぱ松坂なのである。世間を騒がせた超高校級ルーキーは、当時の私にとっても「とにかく凄い人」という印象でしかなかった。また再びライオンズに戻ってきた松坂であるが、今期の登板はゼロであった。私は一度で良いから生の松坂が見たい。

そして今現在もライオンズ2軍監督を務める松井稼頭央や、ミスターノーノー未遂・西口文也、ライオンズレジェンド助っ人・カブレラ…等往年の選手も堪らなく好きである。とにかくライオンズは“濃い”のである。これに尽きる。故に面白い。

 

そして極め付けであるが、これは私の少年時代の思い出が決定的なものとなっている。

 

私が小学1年か2年か、どちらかの夏のことである。東京に住んでいた時のことであるが、学校のすぐ近くに公園があり、そこで夏祭りが行われるとのことで、私や友達は毎日盆踊りの練習に明け暮れていたのだ。練習に参加すると、ご褒美でお菓子か何かを貰えた気がする。こういった行事ごとは子どもにとっては堪らなく楽しいものだ。来たるべき夏の風物詩に向けてワクワクしながら日々を過ごしていたのだ。

そして夏祭り当日の、その公園でのことである。練習してきた盆踊りもついに本番。私は高ぶっていた。

と、そんな心持ちであった私の元へ母親がやってきたのである。そして、何やら私を急かしている。ん?何だ?

すると母親は言い出した。「今日は野球を観に行く日だったでしょ!」と。私はそんなこと一切聞かされていなかった。否、聞き逃していたのかもしれない。しかし完全に脳内はパニックであった。とにかく私はこの後、盆踊りたい。Bon-Danceをしたい一心であった。しかし、この状況を全く理解できぬまま、ドナドナ車へと連れ込まれ、公園を後にしたのである。とても悲しかった。

そして、着いた場所は西武球場(当時)であった。とにかく私は夏祭りに参加できなかった傷心を抱えたまま、野球を観ることになったのだが、当時は野球への興味は一切無く、野球のルールなど全く把握していなかった。よって、ちっともこの日の野球観戦は楽しめなかったのである。以来、この恨みのみが残る日々を過ごすことになったのである。

 

しかし、時は立ち(中略)野球というスポーツへの愛情が生まれた私には、この日の出来事が重要な意味を成すことになってくるのである。初めて行ったプロ野球の試合が西武球場でのライオンズ戦であったのだと。原点はそこにあったのだと。こうして現在に至る強いライオンズ愛が形成されたといっても過言では無いのである。今となっては親に感謝である。

 

 

今年はリーグ3位という、Aクラスでありながらもリーグ3連覇及びCS進出を逃してしまったライオンズであるが、夏場の悪夢の7連敗や、先発投手陣・主砲山川や森の不調に中村の手首死球による一時離脱等、非常に悩ましい問題が多々ありながらも、最後はよくここまで盛り返したと思う。辻監督の手腕もさることながら、選手の奮起に感動でしかないのである。本当に熱い試合を楽しませていただいた。

 

名シーンが多く生まれた今シーズンであった。試合後に森友哉が号泣した、山川のサヨナラタイムリー勝利、ラッキーボーイ山野辺の対ロッテ戦2日連続サヨナラ勝利、京セラオリックス戦の外崎激走ランニングホームラン、PayPayドームソフトバンク戦の劇的中村剛也グランドスラム…等どれもが心に焼き付けられる印象的なものであった。

個人的には、8月30日の楽天生命パークでの対イーグルス戦が最も印象深かった試合である。

2-0で楽天リードのまま9回表の攻撃。山川の四球と森のヒットで塁上にランナーを貯め、希望を繋ぐ。そして続くバッターはメヒア。この時のアウトカウントは2つ。そして2ストライクまで追い込まれしまってからの、まさかまさかの一打であった。超低弾道の弾丸ライナーでボールはレフトスタンドへ一直線に吸い込まれた。メヒアのスリーランホームランにて一気に逆転。この日の中継を観ていた私は叫んだ。そしてこのまま9回裏を守護神増田が抑えライオンズは勝利した。敗北を確信していた試合展開であったが、まさかこんなことが起こるのかと。野球はまさに最後の最後の一球まで分からないものだと、ミラクルなドラマが起こりうるスポーツなのだと改めて思い知らされた瞬間であったのである。

 

秋口以降は我らが若きエース・髙橋光成の安定感が凄まじかったのである。9月8日の対オリックス戦では、9回までノーヒットノーランピッチングを展開し、この回先頭バッターに安打を許したものの、完封勝利。西口文也よろしくのノーノー未遂により、またもライオンズに新たなる歴史が刻まれたのである。

 

そして何と言っても勝ちパターン継投の確立である。7回からの森脇→平良→増田によるMTM勝利の方程式は、言わずもがな秋口以降のライオンズのAクラスへの這い上がりの大きな一因であり、我々に大きな感動と喜びをもたらしてくれたのである。新人王待ったなしの平良の豪快で安定感のあるピッチングは勿論のこと、私は森脇の成長に敬意を表したい。開幕からは敗戦処理班の一員だったものの、よくぞ腐らずのし上がってきたと思う。制球力抜群のピッチングと、そのメンタリティは本当に素晴らしい。感動であるのだ。

 

また来年のライオンズのプレーが今から待ち遠しいのである。そして何より、守護神増田のFA宣言残留も決まり、とにかく安堵と感動でしかないのである。よくぞ残ってくれた。ありがとう、本当にありがとう。君もミスターライオンズだ。

 

是非皆さんにもライオンズに興味を持っていただければ幸いである。共に青炎を送らないか?

ではまた!