アッチの街の片隅から愛を込めて

迸るほどの愛を込めて、濃厚かつ丁寧に音楽その他色々を語ります。

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蝶か、蛾か

我らが埼玉西武ライオンズ、どうやら今年は相当厳しそうである。現在の順位は最下位に程近い5位と低迷しきっている。とにかく勢いがつかない。抜け出そうとする兆しが見受けられないのが事実である。

プロ野球有識者達がかく言うのは、ライオンズの弱点は投手陣であるということ。うむ、それはもうごもっともとしか言えないである。とにかく先発投手陣の安定感の無さが如実である。髙橋光成はもとより、頼りの今井達也と松本航が良い時と悪い時がハッキリとしすぎている。かつては“負けない男”として不敗神話を打ち立てていたニールも絶不調極まりない。ピッチャーで落とす試合が多すぎる。中継ぎの要のギャレットも不安定過ぎる。

 

そして何より打線の爆発力の無さ。チャンスで打てない。この一言に尽きる。点を取るべき場面で無念の残塁祭りなのだ。それじゃ勝てるわけがないですよ、と。

山賊打線などと言われ恐れをなしていたが、今年は見る影も無さそうだ。悲しいがいつの試合もそんな調子なのである。

今年はCSすら厳しそうである。どうか残りの試合を勝ちまくってファンの気持ちを盛り上げてほしいものだ。

 

 

そんな埼玉西武ライオンズの本拠地メットライフドームへ現地観戦に行った時のことである。その日はブルペンが目の前の最前列の席での観戦で、すぐ正面には通路があった。

間も無くプレイボールだという頃、とある物を発見した。

蝶か蛾か、はハッキリと分からないが一匹の虫が私の目の前の通路にいたのだ。その虫は片一方の羽根がもぎれて半分になってしまっており、飛ぶことができずにその場をバタバタとのたうち回っていた。何故羽根がもぎれていたのかは知らない。鳥に食われたのか、どこかにぶつけてしまったのか。

可哀想だ、と私は思った。その虫はその場をどうにか脱出しようとしているのか、とにかく必死にバタバタともがいている。

仮にここが野球場でなければ私はどうにかその虫をまともな場所へ逃してあげただろう。そうしてあげたかった。しかし、完全にドームの中の通路、そして上階の外へも一番離れた最下段の場所である。自分は何もしてあげることができなかった。

試合も始まり、ライオンズの応援にも熱が入るところなのだが、どうもその虫が気になって仕方がない。まだバタバタと必死に動こうとしている。まだ飛ぶことを諦めていないのかも分からない。通路上に居てしまっているので、当然人も多く通るのだが、踏まれそうになると残りの片方の羽根を懸命にバタつかせ、避けようと動いている。

最終的には私から10mくらい離れたところまでバタバタと動いていった。凄い根性だと思った。必死とはああいうことを言うのだな、と。

試合観戦に集中したかったのだが、頭の中では色々なことを考えてしまったのである。その虫を救いたかった気持ちと救えなかったもどかしさ。また、仮にそいつがゴキブリだったら別に救おうともしなかったんだろうなという、選択が生まれている自分とその見解に対する反芻。善とは何か。偽善とは何か。

これもこの自然の摂理と割り切ってしまえばそれまでだが、なんか何なんだろうな、と思ってしまったのである。そもそも深く考えることでもないのかもしれない、というのが率直な気持ちである。

 

そんな纏まりの無い話である。

 

 

 

尚、結局その日も試合は負けた。

 

 

 

ではまた!

 

 

 

(9/23 追記)

サヨナラ勝ちバンザーイ!!!