アッチの街の片隅から愛を込めて

迸るほどの愛を込めて、濃厚かつ丁寧に音楽その他色々を語ります。

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モーモールルギャバン「僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ」アッチが愛してやまない1曲その1

誰しもが、心の中にずっと残っている思い出の一曲があるはず…音楽とは人生だ…。

 

ーアッチ・カタスミーノ(1989〜)

 

というわけで新コーナーの「アッチが愛してやまない1曲」、始めていきます。(唐突)

 

今回ご紹介したい私アッチが愛してやまない1曲は、モーモールルギャバンの「僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ」でございます。

 

ご存知モーモールルギャバンは京都出身のバンドですね。Vo.&Dr.のゲイリー・ビッチェ、Vo.&Key.のユッカ、Ba.のT-マルゲリータによる3人編成。

2010年のメジャーデビュー前から話題沸騰のバンドであり、エモーショナルな楽曲と、観る者の心に焼き付けられる情熱的なパフォーマンスが持ち味のバンドでございます。

モーモールルギャバンの代表曲としては、ライブでの“パンティーコール”がお馴染みの「サイケな恋人」、ギターサウンドをイメージさせるシンセの音色が特徴的なダンスナンバーの「ユキちゃん」あたりが挙げられるでしょうか。


サイケな恋人/モーモールルギャバン

僕はメジャーデビュー前に話題になってきた頃から知り始め、当時下北沢で行われたライブサーキットでライブを観たことがあります。CLUB Queでしたかね。入場規制かかっていましたね。

ユッカが繰り出す印象的かつ創造性豊かなシンセサウンドと、ゲイリーのもつ変態的な詞曲の世界観と感情的なドラミング、マルゲリータのド太く五線譜上を自由に泳ぐベースにより成り立つ楽曲は、彼らしか鳴らせないオリジナリティ溢れるものばかりでございます。

サウンドも歌詞もライブパフォーマンスも特徴的過ぎるので、世間的には“イロモノ”“変態”のレッテルが貼られるバンドではあると思います。実際メジャーデビュー前もそのような路線が多くの人の目を引いたのも事実ではないかと。

だがしかし、彼らはそんなイメージだけで捉えるのが到底勿体無いと言えるほどの“やり手”バンドなんですよね。

楽曲の幅も非常に広く、踊れるナンバーからシンプルなロックナンバー、センチメンタルなミディアムナンバーからバラードまで巧妙にこなしてくれます。

伝える所は伝える、抑える所は抑える、暴れる所は暴れる、という抑揚をしっかりと効かせることのできる楽曲作りとライブが出来る、めっちゃくっちゃええバンドなのですよ。

彼らのベースや信念には“J-POP”というものが少なからずも存在していると感じるのですね。

キャッチーで耳に残るメロディ、変態かつ赤裸々ながらも心に刺さる歌詞、3人が作り出すソウルフルでエモーショナルなサウンド。それらはオリジナルでありながらも普遍的で大衆に訴えかけられるポップネスそのものなわけです。なので、広い視野を持って彼らの楽曲に耳を傾けていただけたら嬉しいと思います。

 

で、前置きが長くなりましたが今回ご紹介させていただくのは「僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ」という楽曲です。

 

 

メジャー3枚目の同名アルバムのタイトルトラックでございます。

聖堂の神々しい雰囲気を連想させるオルガンの音色、そして躍動的なスネアロールから幕を開けるミディアムナンバー。タイトなリズムが曲を力強く前進させ、ゲイリーの優しいボーカルとユッカの切ないコーラスが胸に染み渡ります。

6分弱という長尺ながらも、穏やかにそして滑らかに聴き入ることが出来ます。

この「僕は暗闇で〜」のアルバムが出て最初この曲聴いた時はもうぶっ飛びましたね。こんなんやるんだ…やばすぎるな…っていう。

彼らの元々の印象からすると、真っ直ぐ過ぎるんですよ。曲調もアレンジも。だが、それが!それが良過ぎるのよ!

で、語弊なくお伝えすると、彼らの印象と裏腹な曲であったことの驚きではなく、“良い曲”過ぎることへの純粋な驚きです。胸を打たれすぎた。こんな良い曲この世に生まれたか…みたいな。

そもそも音楽や芸術には勝ち負けはなくて、数値化して点数をつけたりすることも、受け手側の価値観によるものだからあり得ない話であるんですよ。そういうものでも無いですし。

ただ、この曲は僕にとっては100点満点です。

非の打ち所がないというか、完璧というか、素晴らしすぎる6分間なのですよ。決して上から目線での物言いではございません。

アレンジ・展開・コード感・音色・歌詞、全てが僕のツボであり、究極。何度も言ってしまいますが、こんな曲あるのか…ってやつです。

速攻で感じました。“これは一生のお付き合いになるな”と。

でね、事あるごとにこの曲を聴きます。ちと今辛いな…でも進まなきゃな、って時や背中を押してくれる力が欲しい時、一人まどろみたい時、この曲の力を借ります。

タイトルに「叫ぶ」と付いておりますが、決してラウドに雄叫びを上げるんじゃないんだよな。

心の奥底にある叫びたくて堪らない想いが、どうしても抑えきれず溢れ出てしまうような、か細くも力強い「叫び」なのかなと。

歌詞がやばいです。

 “繰り返される時代に死なない言葉が足りない 叫ぶ”

 “いつの間にかこんなところまで来たよな そんな風に君とこの時代愛したい”

これらをゲイリーの実直で優しい声で歌われるともうアカンのです。

そしてラスト、

“ああまだ消えないから 走る命さえ 一人一人ならさあ行こうここから”

ユッカの繊細な歌声でノックアウトです。

まさに暗闇からその先に差し込む光へと向かうような、淡い希望を感じさせてくれる展開です。どんだけこの曲に救われてきたか。泣いてしまいます。とにかく一度お聴きいただきたい。完璧だ。

 

というわけでいかがでしたでしょうか。本当に良い曲であり名曲間違いなしなので、是非ともご一聴を!

この「アッチが愛してやまない1曲」は継続的なコーナーにしようとは考えておりまして、僕も29年生きてきて、一人の音楽を愛する人間として数多くの曲と出会い惹かれいっぱい紹介したい曲があるのですが、敢えてこの曲を第一回目に選ばせていただいたことにより、改めて僕の思い入れの強さと“マジで良い曲ですよ!”という推しの思いを感じていただければ幸いでございます。

 

最近この曲のライブ映像もYouTubeでアップされましたね。


モーモールルギャバンLIVE「僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ」2018.10.12恵比寿LIQUIDROOM

テンポが速くなるのもライブならではでご愛嬌。最高です。アップしてくれたモーモーに最大級の感謝。

それではこのあたりで。ではまた!